クレーマー

はじめに

最近の企業では、クレーマーの問題で頭を悩ませている企業も出ているのではないでしょうか。しかし、クレーマーといっても、一概にまとめられるとは限りません。

クレーマーといっても、①実際には企業にも落ち度・問題があり、適正な補償などを求めている場合、②企業から不正な利益を得る目的で、実際には企業に落ち度がないにもかかわらず、意図的にクレームをつけている場合、③その中間・グレーゾーンにあり、企業にも落ち度がありそうだが、妥当な範囲を超えて補償などを求めるような場合、といった分類が考えられます。

クレーマー

クレーマーへの対応

①のような場合には、企業にも落ち度・問題があり、適切な補償を求める限りは、きちんとした顧客対応をする必要があるでしょう。

逆に、②のように、不正な利益を得ようとして、落ち度がないにもかかわらず、意図的にクレームをつけているような場合には、対応に注意が必要です。

このようなクレームにあった際に、目先の問題を片づけたいばかりに、安易に妥協して金品を渡してしまいますと、同じようなことが繰り返される可能性があります。そのため、②のようなクレーマーの場合には、断固とした対応が必要でしょう。

対応が難しいのは、③のようなクレーマーの場合です。企業にも落ち度・問題がある場合には、そのような問題は正される必要がありますので、適切な補償は必要になってくるでしょう。しかし、一般的に、法的な補償・賠償の範囲には限度があり、適正な範囲を超えて補償・賠償をする必要はありませんし、適正な範囲を超えてしまいますと、だんだんと②のようなクレーマーに変わっていってしまう可能性もあります。

適正・妥当な範囲を見極めることは容易ではありませんが、安易な妥協をしてしまいますと、後で問題が拡大することもありますので、注意が必要です。

昨今のクレーマー事情

昨今のクレーマーに関連する問題として、誰でもインターネットにアクセスでき、発信も容易になったことから、インターネット上で企業に対するクレームや誹謗中傷が発信される、又は発信すると脅迫されるといった事態があります。

実際にインターネット上で、誹謗中傷などが発信されてしまった場合には、警察への相談や削除要請、逆に企業からの発信など、色々な方法を組み合わせて対処するしかないでしょう。

実際に発信される前の脅しのような状態の場合には、安易に妥協することは避けた方がいいでしょう。

インターネット上の誹謗中傷などがその企業に与える影響の大きさ・ダメージの大きさは、その企業がターゲットとする層(消費者か企業か、年齢、どのようなイメージ戦略をとっているかなど)によって大きく変わってくると思います。

そのような中でも、安易に妥協してしまいますと、問題が拡大する可能性がありますので、注意が必要です。

クレーマー対応と雇用

また、クレーマーの問題は、企業の社員の雇用問題とも関わってきます。頼れる社員だということでクレーマー対応の担当にした結果、周りの助けを得られず、一人で抱え込んでしまい、その従業員が辞めてしまう可能性もあります。

そのような状況を見て、さらに周りの従業員も辞めていってしまうという負の連鎖につながってしまう可能性もあります。

クレーマーの対応担当にした結果、うつ症状が発症して、企業の安全配慮義務違反の問題につながってしまうかもしれません。

このように、クレーマーに対する対応は、社内の観点からすれば、従業員の雇用問題につながる重大な問題だと言えるでしょう。

昨今の人手不足の中では、退職した従業員の代わりがなかなか見つからない可能性もありますので、クレーム対応は、従業員に任せるのではなく、会社が一丸となって取り組む必要があるでしょう。

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