ホーム >  メールマガジンバックナンバー >  VOL.131 2023/10/16 【ステルスマーケティング(ステマ)規制について】

VOL.131 2023/10/16 【ステルスマーケティング(ステマ)規制について】


弁護士&社労士&税理士&司法書士が教える! 企業法務・労務・税務・登記に役立つ法律情報

名古屋総合社労士事務所


経営者、企業の法務担当者・人事労務担当者・管理部門担当者の皆さまがビジネスで必要な法律・労務・税務・登記知識を、無料のメールマガジンとして提供させていただきます。
法律のプロだからこそ話せる実際の事例や最新の法律にまつわる情報を「分かりやすさ」と「実践性」に主眼を置いて、月1回お届けします!

vol.131本号の内容

2023年10月16日

  • ステルスマーケティング(ステマ)規制について

名古屋総合法律事務所
弁護士 杉浦恵一

弁護士&社労士&税理士が教える! 企業法務・労務・税務・登記に役立つ法律情報


はじめに

消費者庁のホームページでも告知されておりますが、令和5年10月1日からステルスマーケティングが規制されることになりました。

ステルスマーケティング(省略して「ステマ」)とは、法律上の定義がされているわけではありませんが、消費者庁のホームページでは、「広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すこと」と説明されています。

ステルスマーケティングの規制

令和5年10月1日からどのように変わったかと言いますと、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)の第5条で、事業者が提供する商品や役務の取引(サービス)について、一定の内容の表示をすることが禁止されていますが、その中にステルスマーケティングが含まれた、ということです。

具体的には、景品表示法5条3号で「前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの」が規制されていますが、この「内閣総理大臣が指定するもの」の中に、令和5年10月1日から「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」が追加されることになりました。

この「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」がいわゆるステルスマーケティングを指すと理解されていることから、一般に10月1日からステルスマーケティングが規制されたと言われています。


しかし、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」といっても、具体的にどのようなものが該当するのか、分かりにくいと思われます。

消費者庁では、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準をホームページで公表して、ある程度の具体例を挙げています。

注:該当ページ:
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/assets/representation_cms216_230328_03.pdf

この運用基準では、規制される対象が、主には、外形上は第三者の表示のように見えるものが、実際には事業者の表示に該当すること、つまり事業者が表示内容の決定に関与したと認められる場合(客観的な状況に基づき、第三者の自主的な意思による表示内容と認められない場合)とまとめられています。

例としては、事業者と一体と認められる従業員や、事業者の子会社等の従業員が行った広告(実際には事業者が自ら表示している)、事業者が第三者に対してSNS上や口コミサイト上等に商品・役務(サービス)を表示させる場合などが挙げられています。

ステルスマーケティングにならない事例

この運用基準では、逆にステルスマーケティングに該当せず規制対象とならない場合(運用基準では「事業者が第三者の表示内容の決定に関与したとされないもの」)も解説されています。

事業者が第三者の表示に関与したとしても、客観的な状況に基づき、第三者の自主的な意思による表示内容と認められるものであれば、事業者の表示(つまりステルスマーケティング)には該当されないと解説されています。

いくつか例が記載されていますが、

  • ・事業者が第三者に対して商品・役務を無償で提供し、SNS等を通じた表示を行うことを依頼するものの、当該第三者が自主的な意思に基づく内容として表示を行う場合
  • ・第三者が、事業者がSNS上で行うキャンペーンや懸賞に応募するために、当該第三者の自主的な意思に基づく内容として当該SNS等に表示を行う場合
  • ・事業者が不特定の第三者に対して試供品等の配布を行った結果、当該不特定の第三者が自主的な意思に基づく内容として表示を行う場合
  • ・事業者が表示内容を決定できる程度の関係性にない第三者に対して表示を行わせることを目的としていない商品又は役務の提供(例えば、単なるプレゼント)をした結果、当該第三者が自主的な意思に基づく内容として表示を行う場合

他にも記載されていますが、このような、表示する第三者が内容を自主的に決めることができるような場合には、規制の対象外とされるようです。


また、ステルスマーケティングで問題になるような、例えばSNS上で特定の誰か(知名度のある芸能人等)に広告をしてもらうこと自体が禁止されているわけではありません。

今回、禁止の対象となったのは、あくまで「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」です。

つまり、一般消費者が、事業者の表示(つまり事業者が行っている広告)であることが明確になっていれば、そのような方法での宣伝広告自体が禁止されるわけではありません。

さいごに

この規制は、10月1日から開始されたところですので、運用基準が今後変わっていったり、消費者庁からの何らかの処分が出されるなど、今後の変化に注意する必要があるでしょう。


次のようなご心配事がある場合は、名古屋総合リーガルグループがお役に立てますので、ぜひお電話ください。

  • 労務問題が心配なので、雇用契約書と就業規則について相談したい。
  • 従業員を解雇しなければならないが、どのようにしたらよいのか。
  • 従業員から残業代を請求されて困っている。
  • お客様・営業先からクレームを受けて困っている。
  • 契約書を作ったのでチェックしてほしい。
  • 取引先から契約書をもらったが、不利なものでないか不安なので相談したい。
  • ネット上で悪い評判を書かれて困っている。
  • 売掛金を回収したい。
  • 新しい事業を考えているが法的に気をつけるべき点を相談したい。

当事務所のご相談受付はこちらです。お気軽にお問合せ下さい。

⇒ ご相談のご予約 052-231-2601

または、メールフォームからお願いいたします。


弁護士法人名古屋総合法律事務所および税理士法人名古屋総合パートナーズはともに経営革新等支援機関に認定されています。

名古屋総合リーガルグループでは、中小・中堅企業の実情も十分考慮した上で、企業が抱える労務問題、取引先や顧客からのクレーム・トラブル、著作権侵害などのリスクから会社を守る方法を提案しています。

残業代やセクハラ、解雇やうつ病などの労務問題に頭を抱えていらっしゃる経営者様も多いと思います。

多くの問題は、法律の知識をもって対策をしておくことで未然に予防することができます。

顧問契約等の制度を利用していただければ、わざわざ来所していただかなくても電話やメールで気軽に相談していただくことができます。

ぜひ下記からお気軽にご連絡下さい。

▼法人様向けホームページはこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/

▼私たちが企業法務で選ばれる理由
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/reason/

▼顧問契約をお考えの方はこちら
https://www.nagoyasogo-kigyo.com/general-counsel/

メールマガジンバックナンバーへ戻る

ご相談予約はこちらまで/お電話でのお問い合わせはこちら/TEL.052-231-2601/相談時間/平日 9:00-18:00/土曜 9:30-17:00/夜間 火曜・水曜 17:30-21:00/ご相談の流れはこちら

ご相談の流れはこちら

業務案内

電話・オンライン相談はじめました

マチ工場のオンナ

名古屋総合法律事務所の理念

解決事例

企業法務ブログ

経営品質・人材育成ブログ

-->