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VOL.100 2020/10/28【民事判決、ネットで見れる?!】


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vol.100 本号の内容

2020年10月06日

  • パートタイマー等短時間労働者への社会保険適用拡大について

名古屋総合法律事務所
社会保険労務士 増田友子

パートタイマー等短時間労働者への社会保険適用拡大について

はじめに

将来の年金受給額、とりわけ老齢年金の受給額については誰しもが関心のあるところですが、毎月の給料明細から控除される社会保険料の負担についても、同様なのではないでしょうか。パートタイマーの方の中には、いわゆる扶養の範囲内で労働日数・時間を抑えた働き方をされている方も多いはずです。

しかしこのことについては、人を雇用して事業を営む以上、その負担額の大きさから事業主の皆様にとっても、避けて通ることのできない大きな課題の一つであると言えるでしょう。

さて、令和2年5月29日、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立し、6月5日に公布されました。

この改正の目的は、超高齢化社会における年金受給者の増加に伴う「長期化する高齢期の経済基盤」、つまり年金財源の充実を図るもの、および「多様な就労を年金制度に反映するため」とされています。

これまでは501人以上の適用事業所に勤務しているパートタイマーのみに適用されていた、短時間労働者の社会保険適用要件について、今回の法改正により、令和4年10月、令和6年10月と段階的に適用要件が拡大、新たに社会保険に加入しなければならないパートタイマーが大幅に増える見込みです。

本日は、この度の改正法の中の一つ、「短時間労働者への社会保険の適用拡大」について解説いたします。


現在の判決内容の確認の仕方

  1. 現在の社会保険適用要件
  2. 令和4年10月1日から拡大される適用対象者
  3. 令和6年10月1日から拡大される適用対象者
  4. 企業規模要件のおける人数カウント方法とは
  5. 令和4年以降重要改正点
  6. まとめ

1. 現在の社会保険適用要件

以下の場合は、勤務先の社会保険に加入となります。

(1) 適用事業所において、「常時使用される」70歳未満の方・・・いわゆるフルタイム勤務の方

(2) 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している通常の労働者の4分の3以上である方・・・いわゆるパートタイマーの方でこの条件に当てはまる方は、被保険者となります。

(3) 1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満、1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満、またはその両方の場合であっても、次の5要件を全て満たす方は被保険者となります。この5要件は平成28年10月に追加されたものとなります。

  1. ① 週の所定労働時間が20時間以上あること
  2. ② 雇用期間が1年以上見込まれること
  3. ③ 賃金の月額が8.8万円以上であること
  4. ④ 学生でないこと
  5. ⑤ 厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の法人・個人の適用事業所、および国または地方公共団体に属する全ての適用事業所に勤めていること。なお、厚生年金保険の被保険者数が501人未満の法人・個人の適用事業所であっても、労使合意に基づき申出をした場合は、任意特定適用事業所となります。

2. 令和4年10月1日から拡大される適用対象者

短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件について、現行常時501人以上、とあるところ、101人以上に変更。


3. 令和6年10月1日から拡大される適用対象者

短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件について、101人以上、とあるところ、51人以上に変更。


4. 企業規模要件における人数のカウント方法とは

適用拡大要件に明記された101人、51人という人数のカウント方法ですが、「適用拡大以前の通常の被保険者」、具体的には「フルタイム勤務の労働者」「週の所定労働時間および月の所定労働日数が、フルタイム勤務の労働者の4分の3以上である短時間労働者」のみを指します。

つまり、社会保険の被保険者とはならない短時間労働者(週の所定労働時間および月の所定労働日数が、フルタイム労働者の4分の3未満の者)はカウントに含めません。

現状、要件となる従業員数に近い、あるいは少し超えている従業員を雇用されている事業主様にとっては、どのタイミングの従業員数でこの要件を判断するのか、気になるところです。

厚生労働省HPから以下引用いたします。

  • 月ごとに従業員数をカウントし、直近12か月のうち6か月で基準を上回ったら適用対象となる
  • 従業員数のカウントは、法人なら同一の法人番号を有する全事業所単位、個人事業主なら個々の事業所単位で行う
  • 一度適用対象となったら、従業員数が基準を下回っても引き続き適用。ただし被保険者の3/4の同意で対象外となることができる

このように、令和4年10月、令和6年10月、とこの先、段階的に短時間労働者の社会保険適用対象が大きく拡大していくことが明らかになっています。


5. 令和4年10月以降は雇用期間の要件も大幅変更に

前項2、3、4では、短時間労働者の社会保険適用に関する企業規模要件について、100人超、50人超、と段階的に拡大されていくことをご説明しましたが、企業規模要件(人数の要件)以外に、雇用期間の要件についても変更があります。

現状は従業員数500人超の事業主に雇用される短時間労働者の社会保険適用に関し、「雇用期間が1年以上見込まれること」が適用要件のひとつでしたが、この度の改正でその1年要件が撤廃され、フルタイム労働者の適用要件と同様の「雇用期間が2か月を超えることが見込まれるもの」に変更されます。

では、雇用契約書を2か月間に区切り、更新を重ねていけば、社会保険に入らなくてもよいのではないか、ということをお考えになられるかもしれません。

しかし、この点について、あくまで実態で判断される旨改正法に明文化されています。当初雇用契約期間を2か月とし、社会保険には加入しない条件で雇用したところ、2ヶ月経過したところで契約を更新した、雇用期間を延長した、という場合、2か月を超えた時から加入するのではなく、雇い入れ時に遡って適用されるということが定められており、注意が必要です。


まとめ

今後2年ごとに、短時間労働者の社会保険加入要件が拡大していくことをご説明しました。101人以上、51人以上といった規模の事業所にお勤めのパートタイマーの方にとっては、その働き方を大きく見直さざるを得ない改正内容となります。雇用契約時に、ご自身の働き方と社会保険加入の面でのミスマッチを起こさないよう注意しましょう。

一方、事業主様にとってみれば、現状のパートタイマーの雇用形態のままでは社会保険料の事業主負担、つまり法定福利費の大幅な増大を見据えた事業計画が必要となる可能性があり、それを避けようとするのであれば、パートタイマーの雇用人数を増やし、より細切れにシフトを組んでの事業運営を迫られることになります。

またこれを機会に労使双方が、社会保険に加入するメリット面について理解を深めることで、自社での短時間労働者の雇用のあり方を再構築するチャンスでもあるとも言えます。

製造業、小売業、飲食業、サービス業を中心として、パートタイマー雇用比率の比較的大きな業種の事業主様にとっては、あらかじめこれらの対応について考えておかなければならないこととなります。

雇用環境は、近年大きく様変わりしており、ことパートタイマーをはじめとする短時間労働者の雇用計画においては、実務上、社会保険制度の法改正と大きな関わりがあるものと解されます。今後、社会保険適用対象になりそうな短時間労働者を使用されている事業主様は、労使間で話し合いを進める等の準備をされるとよいでしょう。

詳しい資料は、厚生労働省HPに掲載の以下の資料(1~35ページ)が参考になります。


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