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VOL.98 2020/06/08【持続化給付金-申請時の様々な対処法】


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vol.98 本号の内容

2020年06月08日

  • 持続化給付金-申請時の様々な対処法
  • 編集後記

持続化給付金-申請時の様々な対処法

新型コロナウィルス感染拡大の影響により事業活動に大きなマイナスを被った事業者や中小企業を支えるべく、5月より持続化給付金の申請受付と給付が開始されました。

報道のとおり制度内容は、感染防止のため休業を余儀なくされた事業者など、ウィルス感染拡大の影響により、前年同月比で売上が50%以上減少した月が今年存在する個人事業者と中小法人に対して、使途を定めずに広く給付金を給付するもので、減収した月の売上の12倍と昨年の年間売上の差額を基準として給付額が決められます。
給付額の上限は、個人事業者で100万円、中小法人で200万円となっています。

特に営業の自粛要請を受けた飲食店などに対し急ぎ手当すべき給付金でしたが、5月1日の初日に申請したもののいつまで経っても入金されない、2週間以上過ぎてから書類の不備を知らせるメールが届くといった混乱が多く生じている模様です。
かつてないほどの緊急事態に多くの事業者が直面しています。スピード感を重視した対応を第一にお願いしたいです。

申請時の添付資料が税務申告書や帳簿書類であることから、私ども税理士法人でも顧問先の申請時のお手伝いを行っておりますが、原則的な給付額算定に当てはまらない事業者や、添付資料が指定のとおりには揃えられないといった状況が実際に生じています。
ここでは、実際にお問い合わせにあった事項とその対処の仕方につきいくつかご紹介したいと思います。

(1) 2019年中に法人を設立した場合

昨年の途中に設立した法人は、年間売上が存在せず、比較すべき前年同月の売上も存在しない場合があります。
このような場合の措置については制度上「創業特例」として定められており、2019年の設立月以降の売上の月平均を今年のある月が50%以上下回っている場合には給付の要件を満たすと定められています。
この場合の給付額は、2019年の月平均の12倍と今年の対象月(50%以上売上が減少した月)の12倍の差額を基準として算定されます。

法人が通常の申請を行う場合に添付書類として求められる前事業年度の法人税申告書や事業概況説明書は、この特例を使う法人は未だ提出前で存在しないケースがあります。
この場合の代替として、税理士が証明する申告予定の2019年中の月次の事業収入を示す書類を添付することが認められています。
様式は特に定められていないため、売上の元帳を利用して作成しております。

(2) 個人事業開業届を提出していない場合

2019年中に事業を開始した個人にも、上述の法人の場合と同様の特例(「新規開業特例」)が設けられております。
この特例を用いる場合の添付書類として2019年中に開業したことを示す「個人事業の開業届出書」の控えが必要となります(今年4月1日以前の税務署の受付印が押印されているものになります)。
新規事業者の中には、今年3月に確定申告書を適切に提出されていても、事業開始時にこの届け出を失念している方が見られます。

この場合の代替としては、「開業日、所在地、代表者、業種、書類提出日の記載がある書類 」を添付することが認められていますが、具体例は特に示されておりません。
事業を行うために取得した行政の認可や交付された免許、取引先との包括契約書などが想像されますが、いずれにせよ、開業日等がなるべく客観的に確認できる書類を示す必要があります。

(3) 税務署の収受日付印がある申告書控えを持っていない場合

特に確定申告書を電子申告でなく用紙に記入して提出された方の中には、申告書の控えに税務署の収受日付印をもらっていない方がいます。
個人事業者が持続化給付金を申請する際の添付書類は「税務署の収受日付印のある申告書」であるため、ここで申請が止まってしまいます。

この場合の対処策は申請要領に定められており、管轄の税務署に納税証明書を発行してもらい、これを申告書控えと一緒に添付すれば足りるとされています。
この場合に取得する納税証明書は所得金額を証明する「その2」となりますのでご注意ください。

(4) 今年の対象月の売上がゼロの場合

持続化給付金申請の必要書類に今年の対象月の売上を示す書類として売上台帳の添付が求められています。
もちろん帳簿(元帳)のコピーやプリントアウトを添付すれば足りるのですが、では月の売上が全くない場合は何も出さなくてよいのか、というとそういう訳ではありません。
法人名(事業者名)と2020年の何月かを明示した売上台帳に「合計 0」をきちんと記入して、申請時に必ず添付してください。

最後に

給付までの長い道のりにより事業者に多くのストレスを与えている持続化給付金ですが、ここのところの話題はすっかり再委託問題と、違う方向に時間が費やされるという何とも残念な状況に陥っています。
誰のために創設した制度か、今一度お考えいただきたいところです。


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編集後記

こんにちは。すっかり初夏ですね。天気は少し梅雨めいてきましたね。
じきに夏至を迎えるということで、夕方でも明るいものですね。
自粛期間もあって、5月はなかったもののようになっていますね。

緊急事態が解除となって、街にも随分と人が戻って来ましたが、歩く人はほぼマスクをかけていて、3月頃とは様子が一変しました。
テレワークが定着した会社も多いのではないでしょうか。

私は4月、5月と「リモート飲み会」を楽しんでいましたが、ここへ来て少し飽きて来たというか、相手によっては疲れもあることを知りました。
「やっぱり気の合った人と直接会うって贅沢でいいことだな」という思いが強くなりました。

そしてわざわざ直接会うのであれば、自分の好きな人物に会いたいと思うようになりました。
お友達との食事もそうですが、美容院や飲食店に行くにしても、わざわざ出向くなら、応援したい、サービスを頼みたいお気に入りのお店に行くようになりました。
気兼ねなしにどこでも行けないからこそ、そういう気持ちになって来たのかもしれません。

一方で、ランダムに新しい人と交流する機会も減った時に、そんな一期一会のハプニングも生きる楽しさだったなあと思います。
偶然同じ飛行機に乗り合わせて話したり、イベントに参加して意気投合したことがきっかけで、新しい体験につながることがありました。

リモートであってもリアルでも、「この人と話したい」「この人に頼みたい」と思われるような人物になりたいと思いました。

生活の変化に加えて気温が寒かったり暑かったりで疲れやすいかと思いますが、皆様どうぞご自愛くださいませ。

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