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2024年12月2日
名古屋総合法律事務所
弁護士 杉浦恵一
多くの企業では、従業員に出張を命じることがあると思われます。
その場合に、出張手当の定めを置いている企業も多いのではないかと思います。
しかし、この出張手当について、各企業では明確な定めを置いているでしょうか。どのような趣旨で、どのような目的で出張手当の支払いを定めているのでしょうか。
この点を明確に考えておかなければ、後で従業員との間でもめる可能性もありますので、注意が必要でしょう。
出張手当について特に明確に法律上決められているわけではありませんので、どのような目的で出張手当を支払うのかは、各企業で明確にする必要性があります。
出張手当の性質・目的として一般的に言われていることは、①出張の際に生じる実費を補填する目的、 ②出張によって生じる従業員の精神的・肉体的な疲労(通常業務で生じないもの)その他負担を補助するために支払うもの、 ③出張によって生じる残業代その他時間外労働の定額支払いや給料のために支払うもの、といった点が挙げられます。
まず、①の出張の際に生じる実費を補填する目的ですが、一般的には出張経費と呼ばれることもあります。 出張の場合、一般的に交通費がかかりますし、場合によっては宿泊の可能性もあります。宿泊すれば宿泊費もかかります。このような実際にかかる費用について、実費・実額で計算・精算することになっている企業も多いかもしれません。
このような出張の際に生じる実費については、会社業務の遂行上必要な費用である以上、原則として会社が負担することになるでしょう。
次に、②の出張によって生じる従業員の精神的・肉体的な疲労(通常業務で生じないもの)その他負担を補助するために支払うものとした場合ですが、 こちらは別途給料は支払うわけですので、義務的な支払いではありません。あくまで会社が支払うと決めた場合に支払うことになりますし、定めなければ支払う必要性はないことになります。
なお、このような趣旨・目的の出張手当について、給与所得として課税されるかどうかは問題があります。国税庁のQ&Aでは、原則として役員や使用人に支給する手当は給与所得として課税されるとされています。 他方で、転勤や出張などのための旅費のうち通常必要と認められるものや、宿直や日直の手当のうち一定金額以下のものは非課税とされています。
そして、③出張によって生じる残業代その他時間外労働の定額支払いや給料のために支払う場合ですが、
この場合には給料の一部ですので、就業規則などできちんと記載して従業員に分かるようにする必要性、給与明細に給与・残業代として記載して明確にすることが必要でしょう。
このような給与、残業代として出張手当を支払う場合ですが、労働時間の管理も必要になってきます。
一定額とする場合には、労働時間、残業時間を把握し、その時間に見合った金額で出張手当を設定する必要もあります。
例えば出張が事業外の労働となるような場合ですが、労働基準法38条の2では、以下のように労働時間が算定しがたいときは、所定労働時間の労働をしたとみなすことができる場合もあります。
「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。 ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。」
ただし、出張といっても一定の場所で一定の時間管理ができるような場合には、このようなみなし労働時間制をとることは難しいでしょう。
一概に出張手当といっても、その趣旨・目的、性質によって扱いが変わってきますので、何のために出張手当を支給するのか明確にしておいた方がいいでしょう。
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