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VOL.149 2025/4/10 【令和7年度税制改正関連法成立 – 「壁」は最大160万円で決着】


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税理士法人 名古屋総合パートナーズ


vol.149 本号の内容

2025年4月10日

  • 令和7年度税制改正関連法成立 - 「壁」は最大160万円で決着

令和7年度税制改正関連法成立 - 「壁」は最大160万円で決着

衆議院で与党が過半数割れを起こしている状況の下、予算案が両院で修正されるという先例のない事態となりましたが、年度末ぎりぎりの3月31日に予算が成立し、合わせて令和7年度税制改正関連法も成立しました。

即日公布され、国税、地方税とも翌4月1日に施行されております。

昨年12月に与党より公表された税制改正大綱では継続協議とされていた給与所得の非課税枠となるいわゆる「103万円の壁」の問題は、基礎控除と給与所得控除を10万円ずつ引き上げた123万円を基準とし、収入(所得)に応じて最大160万円まで増えるという段階別に設定されました。

具体的には、給与収入に応じて、適用される基礎控除額が下のとおり変動する内容となっています。

給与収入 合計所得金額 基礎控除額 非課税枠(基礎控除額+給与所得控除)
1 200万円以下 132万円以下 95万円 160万円
2 200万円超475万円以下 132万円超336万円以下 88万円 153万円
3 475万円超665万円以下 336万円超489万円以下 68万円 133万円
4 665万円超850万円以下 489万円超655万円以下 63万円 128万円
5 850万円超2545万円以下 655万円超2350万円以下 58万円 123万円

このうち恒久措置とされたのは①のみで、②~④は2年間の時限措置となっており、令和9年以後は、年収200万円を超える者については⑤の基準が適用されることになります。

なお、下の高所得者に対する基礎控除の制限については今回の改正による影響がありませんので、これを含め、所得税の基礎控除額は、結果的に全9段階となります。

給与収入 合計所得金額 基礎控除額
6 2545万円超2595万円以下 2350万円超2400万円以下 48万円
7 2595万円超2645万円以下 2400万円超2450万円以下 32万円
8 2645万円超2695万円以下 2450万円超2500万円以下 16万円
9 2695万円超 2500万円超 なし

昨年12月の税制改正大綱公表時の本メルマガでも取り上げました特定親族特別控除を含め、本改正は令和7年分の所得税計算から適用になりますが、毎月の給与から徴収される源泉所得税額は変わらず、今年12月に実施される勤務先での年末調整手続きの中で適用され、そこで新基準に基づいた所得税額の精算が行われることになります。

「12月1日前であるものについては従前の例による」という整理になっているため、もし今年11月30日以前に従業員の死亡や出国により年末調整を行うこととなった場合は、旧制度に基づき令和7年分の所得税を精算することになり、当該従業員は来年3月に確定申告を行い、その中で新基準の適用を受けることが見込まれます。企業の給与計算担当者はこの点につきご留意ください。


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