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VOL.94 2020/02/06【親に会わせないと損害賠償責任があるの?!】


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vol.94 本号の内容

2020年02月06日

  • 親に会わせないと損害賠償責任があるの?!
  • 編集後記

親に会わせないと損害賠償責任があるの?!

2019年12月30日の日本経済新聞のウェブニュースの配信で、親と子が会うことを拒み続けることが不法行為に該当するとして、面会を拒んだ子(姉妹)に対して、110万円を支払うように命じる判決が、東京地方裁判所で出されていたという報道がありました(判決日は、2019年11月22日だということです)。

この事案の具体的な詳細は不明ですが、ニュース記事では、以下のような事実関係が報道されています。

この事案では、高齢の母親と長女、二女、三女の三姉妹が当事者です。

母親が病気のため、2012年11月頃までに自力での移動をすることが難しくなり、長女及び次女が母親を自宅から連れ出し、自宅や施設に住まわせたという事実があったようです。

このように、高齢の親が自力での移動が難しくなれば、介護が必要になってきますので、自宅や施設に住まわせることはやむを得ないことでしょうし、むしろ扶養義務からはそうするべきだと言う人もいるでしょう。

ただし、この長女と二女は、三女に対して、三女が母親と会うことを拒み、居場所も伝えず、そうこうしているうちに母親の判断能力が低下したため、長女と二女が母親の任意後見人に就任したということです。

このような事実経過により、三女が長女及び二女に対して、母親と会うことを拒んだことが不法行為に当たるとして損害賠償請求(おそらく慰謝料と思われる)の裁判を起こしたという流れのようです。

このような主張に対して、長女及び二女は、母親自身が三女と会うことを嫌がっており、三女に母親を会わせれば母親の健康に支障が出かねないと反論したようですが、判決では、三女が独自に母親の居場所を突き止めて1度だけ母親と面会したことがあり、その際の三女と母親との会話の内容に基づくと、母親が三女と会いたくないという意向を有しているとはうかがえず、三女と母親を会わせることで母親の健康に影響を与えるという根拠もないと判断したようです。

その上で、判決では、親と面会交流したいという子の素朴な感情や、面会交流の利益は、法的保護に値するとして、長女と二女が、母親と三女を会わせないことは、後見人としての裁量を考慮しても不法行為に該当すると判断したようです。

この判決で着目する点は、第三者(ここでは長女と二女)が主体となって、親と子を会わせることを拒否し、会わせないようにすることは、不法な行為であるとした点でしょう。

原則として、法令の規定や契約など何らかの根拠がない限り、誰かが誰かに会う権利・義務はないと考えられます。

むしろ、無理に会うようにもとめれば、強要罪に該当するということで刑事事件になるおそれや、面談強要禁止の仮処分といった手続きを起こされるおそれもあります。

しかし、第三者にも、原則として、誰かと誰かが会うことを禁止し、妨げる権利はないと言えそうです。

今回の裁判では、判決の中で、三女が一度だけ、母親の居場所を独自に見つけ出して、会って会話をしたという事実関係が指摘されていることが報道されています。

所在が不明な人物を探し出すのは、なかなか難しいのですが、会って話をした際に録音をしておくと、どのような会話がなされたか、どのような調子で話をしていたかが分かり、会話している人物同士の仲の良し悪しもある程度分かるでしょう。

もし今回の事案で、三女が一度も母親と会えていなかったり、会った際の証拠がなければ、母親が三女と会うことを拒否していなかったという様子が事実認定できず、判決の内容も変わっていたかもしれません。

高齢化に伴い、自力で動くことができなくなった高齢者に関する兄弟姉妹間の紛争は、今後も着実に増えていくことが予想されます。

しかしながら、何か起こってしまった後では、対応できることは限られしまう場合がありますので、注意が必要でしょう。


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編集後記

みなさんこんにちは。立春がすぎて、暦の上では春ですが、まだ冷たい風が吹きつける日もありますね。夕方にバスを降りたら、西日が正面からさして、眩しかったです。歩く人たちも逆光になって、長い長い影が伸びていました。

だんだん日も長くなって行くのだなあと思いました。

街路樹も、葉っぱは一枚も付いていない状態ですが、よく見ると小さな木の芽が膨らんでいました。春に向かって支度は進んでいるのですね。

私は最近、落語を聴いています。抜群に素敵だなと思うのは、古今亭志ん朝です。
声の色艶がものすごくて、なんとも言えません。ちょっとしたしぐさや表情も豊かで、情景が浮かんできます。もうお亡くなりになっているのが残念でなりません。なんとか生き返ってほしいです。もし天国があったら、追っかけ回して聴かせてもらいたいくらいです。

そんなことを言っても仕方がありませんから、生きている方で、贔屓の人を見つけたいと思っています。オススメの落語家さんがいたら是非教えてください。

新型肺炎のニュースも怖いですね。この季節は寒暖差もはげしく、体温調節も難しいです。みなさまどうぞご自愛くださいませ。

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