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不当廉売の規制 安ければいいのか

平成27年10月14日の日本経済新聞の朝刊で、海外から不当に安い価格で輸入された商品の防止策に関する記事が載っていました。

企業が不当な安売りへの対抗措置を当局に申請する手続を従来よりも簡素化するとのことです。

輸入品が安くなると聞けば、一見すると消費者にとっては得ではないかと思われます。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)でも、輸入品が安くなることがメリットとして挙げられています。

高い商品が売れないというのは、企業努力の問題だと言われる場合もあるでしょうが、なぜ安売りが規制されるのでしょうか。

安売りに規制があるといっても、あらゆる安売りが規制されるわけではありません。

国内法では、独占禁止法は、「不公正な取引方法」として、第2条9項3号の「正当な理由がないのに、商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給することであって、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの」が規制対象になることを示しています。

ここから読み取れることは、不公正な取引方法となる安売りは、

⑴ 正当な理由がない

⑵ 供給に要する費用を著しく下回る対価

⑶ 継続して

⑷ 他の事業者の事業活動を著しく困難にさせるおそれがある

という条件を満たす安売りだけが規制の対象になるということです。

例えば、正当な理由であれば、生鮮食品など消費期限が差し迫ったものを見切り販売するといったことであれば、処分する必要性が高いので、正当な理由があると言えるでしょう。

また、スポーツチームの優勝セールなどで、一瞬だけ安く売るのであれば、継続していないと考える余地があります。

さらに、他の事業者の事業活動を著しく困難にさせるおそれがあるという点であれば、もともとある会社しか該当の商品を供給しておらず、代替になる商品も存在しない場合、その商品をいくら安く売っても、他の業者に影響を与えないので、問題がないと言えそうです。

あくまで、安売りによって他の事業者が淘汰され、結果として公正な競争が害されることがないようにするためのものです。

安売りする場合は、こういった規制にひっかからないように注意が必要でしょう。

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